桜の落ち葉染め
ウォーキング中に気づいたのです。町に桜の木が多いことに・・・
もったいないので、きれいな落ち葉を拾い集めて 染めてみました。
こんなやさしい染め色・・・
帰ってくるたび、洗って、バケツに入れた水の中に浸しておくと葉から茶色が出てきます。
2〜3日放って置いても大丈夫。
私は、落ち葉が130g たまったところで、4ℓの水で煮出しました。
沸騰した後、30分コトコト煮込み。1番液を作ります。
部屋中、桜餅の香りでいっぱいになり、和菓子屋さんになった気分。。。
葉を取り出して、漉して、出来たこの茶色い1番液は濁りがあるので捨てます。
同じように2番液も、黄色の色素が残っているので使いませんでした。
3番液からは赤色を取り出すためにアルカリ抽出に切り替えて、4ℓのぬるま湯にソーダ灰を4gを加えて煮出すことに。
うぉー!赤みが出てきた。。。
漉した液は、蒸発などがあって4ℓ が2,8ℓ ほどに減ります。
pH10とアルカリに傾いているので、次は、酸で中和させます( pH7〜6 )
私の場合、酢酸80%を数滴ずつ入れて(小さじ1/2強 2,5mgくらい )
4番液、5番液と作ってから、比べてみると だんだん赤味が澄んでくるのがわかります。
抽出に使った材料です。ソーダ灰がなければ、重曹や炭酸カリウムなどのアルカリ剤。
酢酸がなければクエン酸や食酢でOK。 pH試験紙があると便利です。
染め液は1〜2日置いておくと赤みが濃くなるそうで、今日はこれで終了〜。
5回煮出しても へこたれない葉っぱでした。 よく乾かしてから燃えるゴミの日に
3日後、朝からテスト染め。
媒染剤を使わずに桜本来の色で。。。一番上のオレンジ色は2番液、一番下は3〜5番液をミックスした色です。
では、媒染剤を使ったらどんな色になるのか、
木綿、シルク、ウールのスワッチを先媒染してから染めてみました。
木綿は全体に染まりにくいけど、意外に 銅媒染 (CU)でニュアンスのある色に染まるんですね。
シルクスカーフも染めてみました。
これは3、4、5番ミックス液で無媒染。
これは上がミョウバン、下が木酢酸鉄で先媒染してから4番液だけで染めました。
そういえば、
古くなったセーターを染めたいと言っておられたYuukoさんの・・・
ふと ひらめいて、また 落ち葉拾いに・・・
風が強い日の後だったので、セーターとほぼ同量 集まりました。
なるべくきれいな葉を選んで200g。
予定が詰まっていたので、この葉は洗ってバケツの水に浸し置きしておくことに。
セーターは金具やネームを外して
あらかじめ、25℃の水温で中性洗剤で洗っておきました(染める直前でもいい )
さて、2日経って 再び染め液作り。
抽出方法は前回と同じです。
バケツから落ち葉を取り出し、5ℓの水で煮出し。時間は前回より葉が200gと多いので 沸騰後45分。
5ℓの水が3,7ℓくらいに減ります。1番、2番液は使わず、3番、4番、5番液を保存。
そして、また2日がたち・・・
3日目、セーターを染めました。
3、4、5番液を合わせて10ℓ、火にかけます。
持ち上げると、かなりの重さ!
25℃くらいに温まったら、湿らせたセーターを入れてなじませます。
ゆらゆらとよく繰り、ゆっくり温度を上げて行きます。
30分で60℃、さらに20分かけて65〜70℃まで
ウールは70℃以上温度を上げないと染まらないので、72℃ をKeepして1時間コトコト・・・
火を止めて、時々繰りながら、ゆっくり冷まします。
ティーブレイクしながら 待つこと2時間・・・
25℃くらいに冷めるので、同温のぬるま湯で4回すすぎ
手のひらで軽く押し絞り、脱水機にかけます。
日が暮れかけて、薄陽になりましたけど、ベランダの風に当てて乾かしました。
あくる日・・・
カシミヤ95% ・紙5%のニット 染め上がりました!
わーっ素敵!ぜんぜん縮んでないわ!
これからも着ま〜す!
大喜びのYuukoさんがうれしくて、ミョウバン媒染したスカーフも貰っていただきました。
打ち合わせでは、この後、銅媒染するはずでしたけど。。。
無媒染で止めておいてよかったわ!
媒染剤でバタバタしない、桜の奥深い力が二人とも好きになりました。
まだ、落ち葉は拾えそうです。お試しください。
そうそう、
落ち葉拾いに夢中になりすぎて、無断で人のお庭や敷地に入ったりしないよう注意しましょう。公共の施設も同じです。