桜の小枝で桜染め

冬の日が続いています。

10日前、やっとバラの剪定をしました。

やはり町も、今、剪定の時期。

桜がもう少しで咲くというのに、作業員さん達にバチバチ切られているところに遭遇・・・

この枝でピンクに染まるのよ〜、と声をかけると

「好きなだけ どうぞ! 」と意外な笑顔。 束ねる麻紐までくださり 協力的・・・

ルンルン 抱えて帰ってきました。

小枝は花を咲かせようと パワーがみなぎっています。

こんな↑↑ピンクに染まります。

桜染め、翌朝から始めました。

2〜3cmに切って、量ると517g

500gと考えて6倍の水で煮出すことにしました。

1、小枝を煮込んで、染め液を作る。

水3ℓに小枝を入れ、中火にかけ、沸騰したら弱火にして、沸騰させずにコトコト50分煮る。

ザルで濾して、染め液が完成(蒸発して2,2ℓくらいの仕上がり)

これを繰り返して染め液を作ります。

この1番液は、黄みや茶色が強く 濁りや汚れがあるので使いません。

2番液は澄んでオレンジがかった色↑↑(同じ条件で煮たので2、2ℓの仕上がり)

桜色を目指すため、抽出法を変えます。

2、赤色の染め液を作る。

3回目の煮出しから、水に重曹を加えてアルカリ性にして枝を入れてみます。

重曹はCoopの掃除用のものを使いました。水1ℓにつき1g・・・ソーダ灰でもOK

煮出す条件は1・2番液と同じ

中火にかけて、沸騰したら弱火にして、沸騰させずにコトコト50分煮る。

ほらね!赤味が出てきました。

ザルで濾して、3番液の完成!(約2,2ℓの仕上がり)

4回、5回と煮出すほどクリアーな赤になります。

煮出し液は別々の容器にとって置きます。

1日があっという間に過ぎました。

染め液はすぐに染めるより2〜3日置くと赤味が増す為、ここで休息。。。

* *

2日後、作った染め液でテスト染めしました。

さまざまなピンクのハンカチーフ。

無媒染のうえ木綿。。なのに よく染まっています。

さて、何を染めようかな?

思いついたのが、古くなった綿のブラウス。

染め方は簡単です。

4・5番の染め液に水を足して、ブラウスがゆったり泳ぐ位の染め液を作りました(約7ℓ )

1、染め液に充分馴染ませてから、中火にかけ

2、よく繰りながら、ゴム手袋をした手が熱くて耐えられない位になるまで温度を上げる。

2、沸騰させないよう、菜箸などで繰りながら10分位煮る。

3、火を止める(シルクはこの中に数分間浸すだけ)

4、冷まして 好みの色になったら取りだす。

* ムラに染まらないよう、絶えず繰るのがコツです。

5、流水でよくすすぎ洗いし、脱水。

乾いたら出来上がり!

似合うか?どうかは 別として、、可愛らしいコーラルピンク。

シルクスカーフはふわっと桜色。。なんだか急に春が来たみたい。

* *

いい気になって、エコバック45g。

2番と3番液を足して4ℓの中で染めました。

液はアルカリに傾いているので、試しに食酢をタラっと入れました。

厚地なので浸し時間は長め。。。いくぶん紫がかったピンクにわくわく

木綿の帽子は100g

2・3・4・5番を混ぜたMIX液で、長く煮込まず浸し染めしました(淡くしたくて,,,)

いつかは移ろうのでしょうけど、、お出かけしたくなるような幸せ色。。。

捨てられるはずの枝が、色として残ってくれたラッキーな1週間でした。

*  *

小枝を煮出している最中に、うれしいお届け物がありました。

情報誌・フェリーチェ3月号。

草木染めの特集をしたいとのご依頼で 企画に参加したのが、秋のこと・・・

見開き3ページの中に、どう草木染めの世界を落とし込んでいくか、若いエディター・Sさんの力の見せ所でした。

暮れに上がってきた紙面の第一印象は、爽やかで軽やかな草木染のページ。

表紙のデザインも素敵です。いいですね!

ところが細部に目を通すと、媒染の文字が一つも出てこない・・・

原稿戻しの時、その件を主張しようと思いましたけど、、やめました。

媒染がないから、初めての人でも入りやすい感じがするのだな。。と

ですからね。

桜染めも、媒染剤を使わないで染めてみました。

自然ってただ染まるだけで 不思議です。

ぜひ、一度チャレンジしてみてください。

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